DDSに有望な新規キトサン誘導体
【グアニジル化ポリエチレングリコールグラフトキトサン】
技術概要
- キトサンのアミノ基をグアニジル化したグアニジル化キトサンにポリエチレングリコール(PEG)をグラフト化した
グアニジル化ポリエチレングリコールグラフトキトサン(PEG-GCS)を開発しました。PEG-GCSは、バイオ医薬品との結合能や細胞膜透過性の
強化に寄与するグアニジル化ユニットと、中性域での複合体の分散性や安定性に寄与するPEGユニットを有する新しい添加材です。
グアニジノ基は、静電的相互作用を介してカルボキシ基やリン酸基と強く結合することから、PEG-GCSは、様々なバイオ医薬品の
添加剤に適用可能であると期待されます。
活用のポイント
- 様々なバイオ医薬品への適用が期待される汎用性の
高い添加剤です。
従来の問題点
- キトサンは酸性水溶液にしか溶解しない。
- キトサンは、中性領域で凝集して不溶化してしまう。
- キトサンは、中性域で正電荷を失うので、バイオ医薬品と複合体を
作りにくい。 - キトサンは、細胞膜透過性が低い。
解決したポイント
- PEGを導入することでキトサンの中性域での溶解性と安定性を
改善しました。 - グアニジル化することで、中性域でのバイオ医薬品との結合能を
強化しました。また、細胞膜透過性の向上も期待されます。
図解
ライセンス情報
①開放特許情報DB登録番号 | L2019002165 | |
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②特許番号 | - | |
③公開番号 | 特開2020-180225 | |
④出願番号 | 特願2019-084140 | |
⑤出願日 | 2019年4月25日 | |
⑥発明の名称 | グアニジル化ポリエチレングリコールグラフトキトサン及びそれを含む医薬用キャリア | |
⑦特許権者 | 国立大学法人鳥取大学 | |
⑧代表発明者 | 井澤 浩則 |
⑨実施許諾・譲渡 | ■許諾 | □譲渡 |
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⑩共同開発研究の意思 | ■有 | □無 |
⑪サンプルの提供 | ■有 | □無 |
⑫技術指導 | ■有 | □無 |
⑬実施実績 | □有 | □試作 |
■実験 | □無 | |
⑭事業化実績 | □有 | ■無 |
⑮実施許諾実績 | □有 | ■無 |
発明者コメント
井澤 浩則(工学研究科)
細胞膜透過性ペプチドから着想を得て新規なキトサン誘導体を開発しました。PEG-GCSを用いるDDS研究のパートナーを
広く募集しております。また、PEG-GCSは、様々な用途への利用も想定できます。興味のある方はお気軽にご連絡下さい。