金属含有ゼオライト複合体、およびその触媒、ならびに2-ピロリドンの製造方法
技術概要
- グルタミン酸から2-ピロリドンを合成する反応は多段階反応でこの中で水素化反応がキーとなる。
- 水素化活性の高いルテニウムのような金属触媒をゼオライト上に担持することで従来の触媒とは異なる高い活性を示す。
- グルタミン酸は植物資源中のたんぱく質から抽出して回収することもできるが、糖類を発酵させて製造できる再生可能資源として有望である。
- 2-ピロリドンは様々な液体と混和できるため工業的に重要な溶媒で、また生分解繊維の原料に利用可能である。
活用のポイント
- 金属を含有するゼオライト複合体を触媒として、
植物資源から回収可能なアミノ酸の一つである
グルタミン酸から2-ピロリドンを製造する技術
従来の問題点
- 現状の2-ピロリドン製造法は石油資源とアンモニアを原料として
高温、高圧の反応を逐次的に行い、中間体を製造していく必要が
ある。 - グルタミン酸から2-ピロリドンを合成するためには水素化活性が
高く、また目的反応のみを進行させる触媒が必要である。
解決したポイント
- 豊富なイオン交換サイトとサブミクロオーダーで規則的に
制御された細孔を有するゼオライト上に水素化活性が高い
ルテニウムのような金属を担持した触媒を調製した。 - 上記の触媒はグルタミン酸から2-ピロリドンを製造するために
高い活性と選択性を示した。
図解
ライセンス情報
①開放特許情報DB登録番号 | L2019002167 | |
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②特許番号 | - | |
③公開番号 | - | |
④出願番号 | 特願2019-140757 | |
⑤出願日 | 2019年7月31日 | |
⑥発明の名称 | 金属含有ゼオライト複合体、およびその触媒、ならびに2-ピロリドンの製造方法 | |
⑦特許権者 | 国立大学法人鳥取大学 | |
⑧代表発明者 | 菅沼 学史 |
⑨実施許諾・譲渡 | ■許諾 | □譲渡 |
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⑩共同開発研究の意思 | ■有 | □無 |
⑪サンプルの提供 | ■有 | □無 |
⑫技術指導 | ■有 | □無 |
⑬実施実績 | □有 | □試作 |
■実験 | □無 | |
⑭事業化実績 | □有 | ■無 |
⑮実施許諾実績 | □有 | ■無 |
発明者コメント
菅沼 学史(工学研究科)
本技術は植物資源から回収可能なアミノ酸の一つであるグルタミン酸を利用した技術です。一見、グルタミン酸の製造にはコストが
かかりそうですが、糖類から比較的安価に製造できます。この触媒技術を用いれば2-ピロリドンといった工業的に有用な溶剤でかつ
生分解性繊維を製造できるため、持続可能な技術として有望です。