技術概要
- 甲状腺疾患は自己免疫性疾患(グレーブス病、橋本病、無痛性甲状腺炎などと炎症性疾患(亜急性甲状腺炎)に大別される。
自己免疫性甲状腺疾患の診断は長年甲状腺自己抗体である、抗サイログロブリン抗体(抗Tg抗体)、
抗サイロペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)により行われてきた。
今回、自己免疫性疾患において抗ペンドリン抗体が陽性になること、その発現は、抗Tg抗体や抗TPO抗体とは異なる際立った特徴を示すことを
発見した。この結果は、抗ペンドリン抗体の測定が、自己免疫性甲状腺炎の診断や炎症性甲状腺炎との鑑別に極めて有用であることを示して
いる。
活用のポイント
- 自己免疫性甲状腺炎の診断や炎症性甲状腺炎との
鑑別に極めて有用な甲状腺疾患の評価方法。
従来の問題点
- 自己免疫性甲状腺疾患における抗Tg抗体、抗TPO抗体の陽性率は90%前後であり、また炎症性甲状腺疾患でも陽性例が見られる。
解決したポイント
抗ペンドリン抗体
- 既存の自己抗体を上回る陽性率
- 亜急性甲状腺炎では全例陰性
- 無痛性甲状腺炎で低い陽性率
⇒ 自己免疫性甲状腺炎の診断や炎症性甲状腺炎との鑑別に極めて
有用
ライセンス情報
①開放特許情報DB登録番号 | L2009007008 |
②特許番号 | 特許第5537876号 |
③公開番号 | 特開2011-064564 |
④出願番号 | 特願2009-215272 |
⑤出願日 | 2009年9月17日 |
⑥発明の名称 | 抗ペンドリン抗体による甲状腺疾患の評価方法 |
⑦特許権者 | 国立大学法人鳥取大学 |
⑧代表発明者 | 吉田 明雄 |
⑨実施許諾・譲渡 | ■許諾 | □譲渡 |
⑩共同開発研究の意思 | ■有 | □無 |
⑪サンプルの提供 | □有 | ■無 |
⑫技術指導 | ■有 | □無 |
⑬実施実績 | ■有 | □試作 |
□実験 | □無 |
⑭事業化実績 | ■有 | □無 |
⑮実施許諾実績 | □有 | ■無 |
発明者コメント
吉田 明雄(医学系研究科)
プロテオリポソームを利用したNon-RI の定量的診断キットが現在ほぼ完成に近づいており、来年中には一般的に使用できるようになります。
これによりウエスタンブロット法よりさらに簡便な検査法となり、一般臨床に使用できるようになると考えています。